スペイン女一人旅 Day4-2*トレド
エル・グレコをめぐって
トレドにはこの街ゆかりの画家、エル・グレコの作品が点在しています。
作品のひとつひとつをのんびりと巡っていきます。
トレドの旧市街は歩いているだけで楽しいです。
手始めに サンタクルス美術館へ。
《聖母被昇天》が展示されています。
引き伸ばされた身体、強烈な色彩、ねじ曲がった構図、エルグレコの独特な作風が思う存分楽しめました。
マニエリスムの時代の作品はちょっと毒っ気というか、クセが強くて面白いです。
次はカテドラルに向かいます。
黄金の煌びやかさは目を見張るものがあります。しかしこの黄金が新大陸の文明を破壊しもたらされたものだと考えると、信仰の厚さと狂気を同時に感じなんだか怖くなりました。笑
気を取り直してグレコ作品へ。
遠くにあるのがそうですが、天井画の迫力が満点でした。
イエスが聖衣剥奪される場面が描かれています。イエスの鮮やかな衣服が印象的でした。
続きましてこちら。
サントトメ教会にはグレコの代表作、《オルガス伯の埋葬》が展示されています。
こちらは撮影禁止でした。作品の下半分にはオルガス伯がたくさんの人に見守れながら埋葬されている場面、上半分はイエスがいる天上の世界が描かれています。葬儀の参列者のなかには画家本人も紛れ込んでいたり、なかなか見応えがありました。
次はエル・グレコの家に行きます。
グレコの家と言っても実際に住んでいた家ではなく、後の時代に美術館として再現されたものです。
この日は無料で入ることができました。
ここにも《十二使徒》や《トレドの景観と地図》などのグレコ作品が展示されています。
特に《トレドの景観と地図》は、私自身ここに来る前に展望台からトレドの街を一望していたので、グレコも同じ景色を見ていたのだなと感慨深かったです。
中庭が素敵。
グレコの家を後にして、次に向かったのは…
シナゴークです。
ここはユダヤ教の礼拝堂だった所なのでグレコ作品はありませんが、一度シナゴークに行ってみたかったので訪れました。
ちなみになぜかここも無料でした。
壁の装飾から天井まで、とても手が込んでいました。
かつてイベリア半島はイスラム教徒による支配を受けましたが、住民にはイスラム教徒・キリスト教徒だけではなく、ユダヤ教徒もいました。しかしキリスト教徒によるレコンキスタが完了した1492年、ユダヤ人は改宗か国外退去を命じられてしまったそうです。今は各地に足跡がひっそりと残っているばかりです。
ここの中庭もやっぱり素敵。
パティオの文化はイスラム教徒から伝わったものだそうですが、スペインの至る所で見かけました。
残りの時間で街を散策します。
可愛い陶器屋さんがたくさんありました。
トレド名物のマサパンというお菓子を買ってみました。お店はソコドベール広場に面しているサントトメという所です。アーモンドの粉が材料だそうで、素朴な味がしました。
夕方になり徐々に雲が…
最後にトレドで有名な門を巡って退散です。
太陽の門
ビサグラ旧門
このあたりになると完全に雨になっていました。
スペインは1日で天気がコロコロ変わることも珍しくないので、折り畳み傘はあった方が便利だと思います。
駅に戻って来ました。
出発時刻まで時間があったので暇つぶしに写真撮影。
スペインはタイル装飾が本当に綺麗でした。